近年、世界各国で取り組まれている「脱プラ」はご存じな人も多いでしょう。
「脱プラ」とは『脱プラスチック』の略で、プラスチック製品の使用をやめたり、他の素材に変えることなどをいいます。
なぜ、このような取り組みが行われているのか疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
▼そこで今回は以下のことについてまとめています。
- なぜプラスチックを減らさなければいけないのか
- プラスチックを減らすことで得られるメリット
では、さっそく見ていきましょう!
プラスチックを減らす理由
プラスチックは私たちの暮らしを支えてくれている必需品であることは確かです。
では、なぜ世界は「脱プラ」に進んでいるのか・・・
▼それは以下の問題があげられます。
- 温室効果ガスの問題
- 化学物質の問題
- 海洋プラスチックごみ問題
温室効果ガスの問題
ひとつめのとしてあげられるのが、プラスチックから発生する温室効果ガスによる地球温暖化の問題です。
プラスチック製品を熱処理するさい、温室効果ガスが排出されることはご存じの人も多いでしょう。
またそれだけでなく、海に存在するプラスチックごみが太陽や海水によって劣化する過程でも、温室効果ガスを発生させてしまうという研究報告もあるようです。
温室効果ガスによる地球温暖化により、すでに増えている異常気象の被害を抑制するためにも脱プラの流れが求められているのではないでしょうか。
化学物質の問題
プラスチック製品にはさまざまな化学物質が添加されていることをご存じでしょうか。
哺乳瓶やコップなどのプラスチック容器に使われるポリカーボネート樹脂、缶詰のコーティングや食品のプラスチックパッケージに使われるエポキシ樹脂の原材料に化学物質のBPAがもちいられています。
例えばBPAは劣化や温度の変化、化学反応により食品に染み出すことにより自然と私たちの体内に摂取してしまうことで健康被害が懸念されているのです。
主な危険としては内分泌かく乱作用による、不妊症、ガン、糖尿病、心血管疾患とうの病気の恐れがあげられています。
海洋プラスチックごみ問題
海洋プラスチック(海に存在するゴミ)は、どれほどのものかご存じでしょうか。
世界中で川や海岸にプラスチックを放置や捨てるなどの行為が続けられた結果、すでに1億5000万tものプラスチックごみが海洋中に廃棄されていると言われています。
そしてその量はとまることなく、毎年800万tずつ増えているのが現状で、このまま増え続けると2050年には魚の重量を超えてしまうという悲惨な未来が待っています。
このゴミはもちろん、海の生き物に悪影響を及ぼしていて、餌と間違えて食べてしまい、詰まって餌が食べられなくなり死んでしまうこともあります。
プラスチックは海の中で消えることはありません、そして波や紫外線によって細かく砕かれていき『マイクロプラスチック』(5mm以下になったプラスチック)となることが非常に問題視されています。
『マイクロプラスチック』となった海洋プラスチックごみは回収不能なまでに小さくなり、海の生き物の体内に取り込まれ、そしてそれを私たちが摂取し体内に蓄積されていくのがわかっています。
海洋プラスチックは環境を汚染するだけでなく、海の生態系、そして私たちにも影響を及ぼすと言えるでしょう。
プラスチックごみを減らすメリット
ここまでで、プラスチックを減らさなければいけない理由がわかりました。
では次に、減らすことのメリットについて考えてみましょう。
- 気候変動への影響を防ぐ
- 資源がつきるのを抑制できる
- 水質汚染を防ぐ
- 健康被害を減る
- 企業イメージアップにつながる
気候変動への影響を防ぐ
プラスチック製品の使用量を減らすことで、大量生産、大量廃棄を防ぐことが出来ます。
日本でプラスチックごみが出た場合ほとんどが焼却されていて、その際に出る温室効果ガスが地球温暖化などの気候変動の原因となります。
単純に、プラスチックごみを減らすことでその原因を食い止めることができ、地球温暖化による影響を減らすことが可能となるでしょう。
資源がつきるのを抑制できる
プラスチックの原料は石油。
石油は有限資源なので、使っていればいつかはつきてしまうものです。
そこでプラスチックの使う量を減らすことで、資源の枯渇を抑制することが可能となるでしょう。
水質汚染を防ぐ
水質汚染は生態系に大きな影響を及ぼしたり、病気が蔓延したり経済的にもダメージを与えるとも言われています。
プラスチックごみが減れば汚染物質が川や海に流れ込む量が減るので、水質の汚染が進まないようにすることにもつながるでしょう。
健康被害が減る
プラスチック製品からにじみ出る添加剤。
身近なペットボトルや缶詰などにも使われていますし、プラスチック製の容器に熱を加えることでも溶け出してしまっている可能性があります。
そしてこの添加剤による健康被害も問題視されています。
プラスチックごみを減らす=プラスチック製品をなるべく避ける=健康被害を防ぐということにもつながっていくでしょう。
企業イメージアップにつながる
2022年4月1日に施行された「プラスチック資源循環法」による、プラスチックの削減などを企業に求める動きやSDGsなどから、消費者の環境問題についての関心が高まっています。
このことからも、環境問題に取り組んでいる企業は信頼を獲得し、イメージアップにもつながっていくでしょう。
まとめ
▼今回は以下のことについてまとめていきました。
- なぜプラスチックを減らさなければいけないのか
- プラスチックを減らすことで得られるメリット
▼まとめると以下のようになります。
- 温室効果ガスの問題、化学物質の問題、海洋プラスチックごみ問題
- 気候変動への影響を防げる、資源がつきるのを抑制できる、水質汚染を防げる、健康被害を減らせる、企業イメージアップにつながる
以上、参考になれば幸いです。
▼今すぐできるプラスチック削減方法はこちらを参考にしてみてください。
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